熱情と質量
視界いっぱいに氾濫した光
先見を奪うという意では何ら闇と変わりない
ゆっくりと ただゆっくりと首に巻きつく光
体に巣食った光 心に寄生した光
光は私を蝕んだ 光は私を食べ尽くした
光はいつしか闇へと成り代わった
調和を志した光は闇へと加担した
こうして闇はまた一段と肥大した
ずっと前から知っていた
知ってはいたが無視していた
無視していることも知っていた
それさえきっと、知っていた
一度言葉にしてしまえばもう後戻り出来ない
往くはずの旅路が行きて帰れぬものとなる
帰り道の為の熱情は決して残らないのだから
だからこそ私はこの旅路に名をつけたい
名残惜しさを少し置いていく印として
決して揺るがない決意の証として
決して捨てられない己の再定義として
光と闇の調和に捧ぐ生贄として
未来 未来 未来
その片鱗は救いの傍にいつも佇んでいた