絵を置いてくの

「描いたはいいけれど、誰にみられるでもなく朽ちていく」そんな絵たちをここに置いていきます。

2021-10-01から1ヶ月間の記事一覧

無秩序に果実

怪人の忘れ物

荒天に隠した秘密

水溜りの道路 見渡す限りの黒雲が叫ぶので 眼を見まいと傘をさします すると前方が見えません 忙しない足音 無意識下の表現欲が滲むので 独りよがりの詩を創作します すると人の声が聞こえません 何気ない配慮 鞄の中の手帳が濡れるので タオルで包み覆い隠…

方舟の行方

盛者必衰の理の如く 恒星でさえもいずれは朽ち果てる その周りを廻り続ける無尽蔵なる動力と その内に息づく小さな小さな肉の箱からは 等しく恒久的な発熱が検知される それらに巣食う力の根源が これまた等しく世界の一部なれば どこか遠くへ向かうべきだ …

風に歪む、家に帰る

何色か 何色か 帳に毎日問い続け やっとの思いで触れれた鱗 そこに私の心はあった 刺々しいのは護るため 毒々しいのも護るため 惑いの最中で答えを求める 解など無いと知りながら 夢想は儚い 露と消えるか

風船と蝋燭とグラニテ

毒毒しい鼓動が激しく呼応 止まらない緊張に捧ぐ孤高 痛みを知っている からこその 必要とされたい 愛されたい 後ろめたくも感じる希望 恋慕によく似た虚が宿借り 勝手をふるった心は奔走 迫る佳境と過ぎる今日 例え 偽りと呼ばれても なし崩しのまま人は為…

連綿たる縁

自身の葛藤 映し出し、重なり滲んだ熱情 浪費 褪せゆく明日に動機を求め、放つ咆哮 枯れゆく鼓動 留める事など出来るわけもなく、心の灰色 次第に広がり 野良へと果てたは母なる核心、気づきの歓び 流浪する種子 こうした悩みは生きる糧となり、不意に来るは…

闘争と犠牲とその後

灼度と罪と扉

記憶の蕾を浮かべては、刹那の開花を待つばかり 面影 重なる涙には、兆しは綻び絆される 未練がましい昨日には、忘れるべくして夢をみる 焔を再び燃やすなら、その愛憎も知るといい 修羅に身を置く覚悟とは、良心 捨て去る狂信者 感覚麻痺さえ崇めれば、数あ…

海底に住む

消灯された浴室に水滴の音が響く 水底に沈む痩せこけた裸体に より少し大人びたと感心する 室外からの明かりが微かに照らす 水面に浮かぶ痩せこけた顔面に もう少し喰らえと悪態をつく 点灯されない浴室に幽霊が浮かぶ 憤怒の切っ先は何処にも向ける事が出来…

せつなを往く

幾度となく肌に染みた「気不味い」 数年を経た今に発症する患い かつてのトラウマはまさに病 取り留めのない懐かしい会話 心と呼ぶには稚拙な対話 月日を共にしたかつての仲間 自信を持ち断ち切った故に今は疎遠 そのおかげで躍動するこの二次元 入力する文…

あいも変わらず、差す

あおい太陽、穿つ

肋と肋にリボンをかけて 四肢には糸を垂らしてみる 記録する右手 夕陽を見る両目 閉じる瞼に緑の斑点 記録する右手 夕陽を見る両目 閉じる瞼にいくつもの斑点 視点の合わない虚な両目 とその視界 四隅と中央が四次元的に回転 斑点は消えない その輪郭は陽の…

霧の向こうに翼

渡り鳥が飛び去っていく 最後まで見送りたいけど無理そうだ あらゆる文明が地平線を隠していて 見届けることは叶わなそう どうか、皆の翼が壊れませんように 少しだけ祈ってみる、他人事の様に

異を唱えるは雲海

あまねく巡る流星 僕らは光る彗星 終わりなき旅路の旅程 孤独に討たれ死に一度休憩 夜明けに佇む自暴自棄の酩酊 に差し込む一条の斜光 流れた隕石にかかる重力は 星が回る動力に等しいが無気力 虚無から産み落とされる夢幻は 出口なき生き地獄と呼ばれる無限…

いまだ見ぬ楽園

流る、楽園のかけら

是と非とを分かつ扉 内側からそれは施錠された その間に流れる詠みの河 黄昏時のお陰か対岸の火事は蒼く 一面に咲く花火を互いに妬んだ ある者は食うか食われるかを賭けて闘争 またある者は我関せずとした面で逃走 神と呼ばれる何かに与えられた輪廻 呪いと…

崩壊する楽園

何かを変える為の闘いよりも何かを変えない為の戦いの方がよっぽど過酷だ 均衡の維持には決して終わりがないのだから 変化が、成果がなければ数多の人は気づかない 諸行無常の理の中で足掻く”不変”があることの偉大さを だから私たちは幾度となく知るのだろ…

飢餓と胡蝶

一日は夜から始まる 暁が不安で仕方がないから 十年後の未来ばかりを想像してしまう 隣に座るかもしれない悪夢が怖いから そうして過ぎゆく夜の片鱗を看取る 今日をやり過ごしたと安心したいから 一夜限りの切符を毎夜切り続ける やっとの思いでありつけた今…

静寂と静寂

夜も更け住宅街二階の窓辺 人並みのロマンチストの彼 いつの日かの宇宙の果て タイムスリップは望遠鏡越し つい見惚れた夜空の陶芸 天の川銀河のもっと先へ 縫い留めた星々の振袖 巡る時止める幸せ達 灯火の尽きるその日まで 己が命で輝く恒星 矮小的なそれ…

天災と天災

悲劇は私達の事など見ていない。 劇は演者なしでは動かせないが、動かずともそこに物語はある。 なれば、それに抗わんとする私達の無謀さに等しく価値を与えてくれるものはあるのだろうか。 予め定められた悲劇に抗わんと、絶対的強者へ反駁せんとする、その…

熱情と質量

視界いっぱいに氾濫した光 先見を奪うという意では何ら闇と変わりない ゆっくりと ただゆっくりと首に巻きつく光 体に巣食った光 心に寄生した光 光は私を蝕んだ 光は私を食べ尽くした 光はいつしか闇へと成り代わった 調和を志した光は闇へと加担した こう…

雪原の逸話

雪原の中央には確かに館が聳え立つが、あえてここには記されていない。 唯一のまほろばさえも暴かれてしまえば、降り止まぬ雪達は帰る家を失う事になる。 この地に不自然にこびりついたそれらは、安寧を求めている。 そして私達の使命は彼らを弔うことだ。 …