2021-10-12 流る、楽園のかけら 是と非とを分かつ扉 内側からそれは施錠された その間に流れる詠みの河 黄昏時のお陰か対岸の火事は蒼く 一面に咲く花火を互いに妬んだ ある者は食うか食われるかを賭けて闘争 またある者は我関せずとした面で逃走 神と呼ばれる何かに与えられた輪廻 呪いとも言える喜怒哀楽の螺旋 まるでそれは世界の大義による予言 野に放たれた物の怪は かつて人だった物の成れの果て 空へと逃亡した地平線は 忘却された記憶の彼方へ 揺られるがままにこの地を訪れた私は 河口へと流れつく事を懸命に祈った 鉄の箱から眺める景色には ありとあらゆる修羅が立ち尽くし 涙を流して嗚咽を漏らしていた