2021-11-15 私だけのケプラー1649c ここは私の故郷じゃない 息をするには狭すぎる 旅立つための動機としては 十分なほどに確かなものだ 時が満ちれば潮が寄せ あとはそのまま攫われるだけ 潮汐力に任せていれば どこまでだっていけるはず 行けば行くほど人は減り 後には虚空が聳え立つ そんな景色に憧れていた 旅人はいつも明日を憂う 私の産まれた系外惑星 たどった轍に花が咲く あてもなければ見切れもしない どこかへ誘う星を知る