灼度と罪と扉
記憶の蕾を浮かべては、刹那の開花を待つばかり
面影 重なる涙には、兆しは綻び絆される
未練がましい昨日には、忘れるべくして夢をみる
焔を再び燃やすなら、その愛憎も知るといい
修羅に身を置く覚悟とは、良心 捨て去る狂信者
感覚麻痺さえ崇めれば、数ある背骨も溶けていく
くすりを求める対価には、救いの一声あるべきだ
詰め寄る未来の足音は、妖の巣食う黄昏だ
がなる秒針 邪魔ならば、折ってそのまま捨てればいい
己の諦観 疑問なら、真偽を定かにするべきだ
嫌悪の価値観 取り成すは、矛盾に跨がる自己嫌悪
繰り出し続ける響きには、共感している者もいる
幸福比べが憎いなら、凍えた不幸を拾いなさい
些細な矜持を知るならば、つがいの苦心も友人だ
宇宙の無意味を見出せば、見えざるものさえ見えてくる
心にこの身を宿貸せば、錆びた美学が熱を持つ