2021-11-03 情熱による麻痺 時速1キロの歩幅が反復し 移ろう景色が未だ絶えずとも 歩み続ける熱情はやがて果てる がらんどうの心が哀咽を叫び 久遠に対して別れを告げようとするも 敢え無い美学が一瞬を繋ぎ止める いつかの青臭い少年の生けた花が ついには色褪せ枯れようとも 取り残された器だけが青光る 赤嘘として間引かれた決死の蕾は 微々たる養分のみでは開花できず 土に帰るとも報われることはない 認められない不遇な才覚は 言葉と思案の狭間に飲み込まれ 無為な日常を徘徊している