絵を置いてくの

「描いたはいいけれど、誰にみられるでもなく朽ちていく」そんな絵たちをここに置いていきます。

2021-11-03から1日間の記事一覧

雲上に咲く

即興で紡いだアクセサリー 開ければ光るアコヤガイ 大した意味などないけれど 言いたい事ならあったから アナグラム 星をつなぐ 日付にだって意味がある 奇跡と呼ぶには瑣末だが 気づいてしまえば無視できない カタルシス 夜空に縋る 全てにきっと意味がある…

雨開の花

グラデーション 魚の模様 パステルピンクは反旗の象徴 歪んだ水槽 見ている僕ら ガラスに映った虚像を覗く 消え去る太陽 雨に降られよう 黒い海月とピンクの海月 陸地を往ったが 住処は海洋 地に伏す影は静かに尾行 咲き燃える空は虹模様 休符に差し込む親和…

あおあざ、煩い

ずっと前から探していたのは 身の丈にあったロマンチシズム ずっと前に失ったのは 手に持つ花火に咲く心 少し前まで探していたのは 等しく行き着く終着点 少し前に失ったのは 対岸に渡る小さな切符 今まさに探しているのは 青痣さえもが誇りになる地 今まさ…

のっぺりとした夢、吐いた真珠

眠れなかった昨夜 片耳が海の中 血管の間と間に刻まれた 痛み 痛み 耳鼻咽喉科 にて子供たちのはしゃぎ声 響く うるさいと思ってはいけないと抗う 診察室からの泣き声 煽る 他の子達の不安感 宥める母親 子を抱く父親 絵本を開く その両手に私が忘れたものが…

鎖自慢の海底都市

まさに泡沫 見えざる裏方 露ほども触れられない姿 海月は”地平”を見たがるが 生憎陸には上がれない 一眼でいいから目に留めたいと ただひたすらに繰り返し 脳裏に景色は焼きついた 溢れんばかりの逆光は 大海原とはまた違う 何者でもない雄大さ 何故求めるの…

のっぺりとした夢、不均衡な現実

夏前 梅雨の訪れる土手に佇む 伝えなくて良い事実 知らなくて良い真実 どこからどこまでをみるべきか 立ち並ぶビル群は悲しみに溢れていて 鉄筋コンクリートは笑いに飢えている それにも関わらず報せは熟れている あれやこれやと何にでも どこでも答えが落ち…

情熱による麻痺

時速1キロの歩幅が反復し 移ろう景色が未だ絶えずとも 歩み続ける熱情はやがて果てる がらんどうの心が哀咽を叫び 久遠に対して別れを告げようとするも 敢え無い美学が一瞬を繋ぎ止める いつかの青臭い少年の生けた花が ついには色褪せ枯れようとも 取り残さ…