契りよ、間隙を縫ってくれないか
それが、それだけが欲しい
もっと、もっと知りたい
手を少し伸ばせば届くほどに近いのに
自分に課した契約の所為で
手を伸ばせない、伸ばせない
人を思ってか、自分のためか
何のための契約だったのか
今となってはわからない
あるいは、ただの逃げ腰なのか?
手を伸ばさないための、口実なのか?
それなのに、どうにか伝わって欲しいから
回りくどくて仕方がない、そんなのばかりだ
本当にそれが欲しいなら、そう言うべきだ
おもってるだけでは伝わらない
どんなに大事におもっていても
結局は、言わなければ伝わらない
それだけで、伝わるというのに、どうして
ああ、都合よく、間隙を縫ってくれないか
体躯は小さくても
忙しない足取りの滴
緑地に吹き溜まる迷図は
翠雨の感傷にこそ咲く
水面に複写された表情
異端を拒絶する波紋は
放牧された哀愁にさえ乱れない
儚い弔いの沈黙
亡霊のような香煙は
久遠の後悔にこそ立ち昇る
顕現 顕現 顕現
恒星の如く叡智で飾る
昼寝はここに
格好をつけて着飾ろうとも、居心地が悪かったら脱いでしまう
僕はそんな人間だ
いっそのこと最初から、肌着で話せれば、どんなに楽だろうか
微睡の中でふと、そんなことを考えた
日差しが暖かい
少しだけのセロトニン
今思えば、今思えばだが、自分のことすら全くわからないのに、もっとわからない他人のことを本当に好きになるなんて出来っこなかった。
それなのに、”人の事を嫌いになってもいい”なんて知らなかった。
時が過ぎるほどには色々費やしてきたおかげか、少しは自分のこともわかってきた。
やりたい事、やりたくない事。やれる事、やれない事。
本当に少しだけだけど。
それならきっと、少しは他人の事を好きになってもおかしくない。
うん、可笑しくない。
憩いの場所に住む悪魔
“I”で括れば意地が悪い まさに今の心持ち
強烈な自意識 月並みでない
今はまさに暁 時は移ろい
やがて訪れる紺碧 白日のもとに
遮る光 脳裏は霞がかり
自分以外は背景 よだつトラウマ蘇り
底をつく美意識 熱烈なアイデンティティ
人並みの熱意 持ち合わせるに至らない
それ故の夢想行為 日々探し続ける勝機
時間を片手にのたうちまわり 浄化の儀式
解離した感情を同期 引き換えに熱情を消費
言葉と思案の連星系 いづれ消え去る灯火
抱えた爆発性が宿借り 食い漁られる肉体
朽ちる私に稚拙なため息 詩を書き殴り
あらゆる物語が集い 認知を弄り連想遊び
日々想像するメメントモリ 死への興味
此岸から見る景色 三途川を浮遊する天使
彼岸から見えるか人生 思い出に挟んだ栞
産まれ落ちた穢れ無き命 確かにあった喜び
自分を守るために嘘付き 純真煤けて灰色に
それでも訪れる境地 取り仕切るは冠婚葬祭
束の間の人生は輝き 儚さに惚れる私達
とある歴史の一区切り よくある見解の相違
取り留めのない誤解 取り返しつかずの戦い
幽けき命のやりとり 互いの確かな正義
差し違えた兄弟 早すぎる終わり
まるで演劇 現実は至っていつも奇なり
その果ての未来 確かに今に繋がり
歴史から教訓を学び それでも繰り返す悲劇
ふと我に帰り うねる頭で見上げる暁下ち
曇天とは程遠い 澄み渡る空気
世の全ての曇り この胸に集まったかの様に
陰鬱な気持ち 欠落への気付き
果てなき果てに馳せる想い いつも矮小的
遂げられない夢見 一寸先は常に闇
沈殿する本懐 深層意識の底に
それ故の現実逃避 繰り出す言葉に宿る魂
生きながらえる日々 中々に重くぬるい
木霊する感受性 私とあなたの隙間に
138億年分の共時性 77億人分の同時性
自覚するには優に容易い奇跡 確かに存在
名付け親は私達 星々の巡り合いは再び
まさに時の幸 これこそがシンクロニシティ
耳鳴りの様な潮騒 呼応する悲哀に満ち引き
始まってすらいない人生 死ねないと嘆き
何も果たせていない 孤独に繰り返し
昨夜睨みつけた天蓋 今更に煌々と輝き
今日に捧げるはずの星々 遂には消え去り
我に帰ったはずもまた沈み 底無しの深海
それでも結局は対峙 無残な亡骸を片手に
真意は現実逃避 想像を力に
真意は現実逃避 創造する力に
“I”で括れば意地が悪い まさに今の心持ち
せめて最後だけは言い切りたい
““
私は何を言い切りたい?